2012年1月20日 (金)

春を待ちながら

加賀の千代姫改め今千代御前が、新たなご出発に向けての「よろずご相談」に、十年ぶりに訪ねてくださったのは、一昨年の五月のことでした。

一九九七年に入門され、月一度金沢から通われた三年間。仕事での葛藤、人間関係の悩み、愛する人との出会い、お父君の突然のご逝去、ご結婚、と起伏のある道のりを歩まれるお姿を見守りながら、丹生谷もまた傍を歩ませていただいておりました。  

やがてご出産、そしてご主人様の故郷福島への移転、生死の境をさまよったという二度目のご出産を経て、お仕事を続けられながら、光陰は過ぎ。

「先生と出会ったから今の自分がある」「これからも女性を幸せにすることを仕事にしていきたい」と瞳を輝かせて語ってくださったあの日から十ヶ月後、まさかあんなことが起ころうとは。

年が明け、弥生三月、花だよりが待たれる春。突然、東日本を襲った地震と津波とそして原発事故と。南相馬のご自宅で被災され、二人のご子息を守らねばという一心で、医者として被災地を去れないご主人を残し、敦賀のご実家まで命からがら逃れていらしたお話を、立冬を迎えた十一月、京都はわらじやの常と変わらぬ平和で静かな趣きの中、う雑炊をいただきながら伺いました。御前の変わらぬ笑顔に、私が励まされておりました。

人の世は、一寸先は闇。かけがえのない命も、天から授かったものとあらば、いつ天に召されても不思議はありません。今こうして生かされていることに感謝して、日々を精一杯生きていたいものです。

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2011年7月18日 (月)

梅のその後

じりじりと焼けるような陽射しの中、我が庵まではるばるおいでくださる受講生の皆様には、まずは自家製の梅ジュースと冷たいおしぼりで、ひと息ついていただきます。

梅ジュースの原材料はこれ

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にミネラル分が豊富なきび砂糖を加えております。

昨年好評でしたので、今年は8リットル入りの巨大ガラス瓶にぎりぎり口までいっぱいの量を作りました。漬け込んで十日ほどで、クエン酸たっぷりの濃厚なジュースのできあがり。水で割っていただきます。

毎朝、一日分をペットボトル一本にあらかじめ作っておいて、冷蔵庫に入れておきます。お出しする時は、冷凍庫でキンキンに冷やしておいたグラスに注いで。

おしぼりは朝、その日のお客様の人数分のタオルを水で濡らして絞り、 それぞれにハーブオイルを一滴ずつたらし、ファスナーつきの袋に入れて、冷蔵庫へ。おしぼりを手にすると、爽やかな風が身体の中を抜けていくような、すっきりと清々しい香りが漂います。

うっかりして、「しまった、授業まで後十分しかない」なんて時は、おしぼりを冷凍庫に入れて冷やすこともあり。すっかり忘れて、かちんかちんに凍らせちゃったこともございます。

さて、こちらは梅干の第二弾。先週、土用干一日目の写真。

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右は赤紫蘇入り、左は白梅干。

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梅干作りの作業は、想像をはるかに超えた愉しさで、これからは毎年作ろう!と意気込んでおります。

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2011年6月22日 (水)

梅道楽

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長きにわたってのご無沙汰は無視して、いきなりの再登場が梅干ですか、とご批判の向きもあろうかとは存じますが。徒然なるままに書いている勝手気ままなブログゆえ、そこはお見逃しいただくとして。

じっとりの梅雨空が続いておりましたが、今日は久しぶりに笑顔のお天道様、梅雨明けはまだまだ先ですが、まずは塩漬けにした小梅を、ちょっと早いけれど土用干し、と勢いづいてみました。

実は自分で梅干を作るのはこれが初めて。梅ジュース、梅酒は自家製ですが、昔実家で作っていた梅干は、相当に手間隙がかかっていた記憶があって、ずぼらな丹生谷には不向きと、梅好きの道とはいえ、避けて通っておりました。

今回もぎたての梅をずっしりたっぷりいただいたので、青梅は梅酒と梅ジュース、追熟させた梅で梅干を作ることを決意。

インターネットで作り方を研究した結果、大きな梅は赤紫蘇を先に入れる方法で、小梅は白干しにしてから赤紫蘇、と順序を変えて試してみる予定。

酸っぱい梅のことですから、ずいぶんお暇なのね、なんて甘く見てはいけません。自慢ではないが、しなければならないことは山積み、道楽に耽っているほど、暇を持て余してはおりません。道楽三昧でしょう、なぁんておっしゃったのは、どちらの御仁かな?

新しいことへの挑戦は、次なる勇気とエネルギーを生みだします。勇気もエネルギーも、惰性や忙しさ、慌しさの中には生まれません。「忙しい」は「心を亡くす」、「慌しい」は「心を荒らす」ことだから。

仕事と梅雨空との兼ね合いを見ながらの梅干作り、愉しくて、心は元気で満ち満ちております。

これも好きの道、細工は流々、仕上げをごろうじろ。

梅の花さきての後のみなればや すきものとのみ人のいふらん 
                     よみ人しらず〔古今和歌集)

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2011年3月16日 (水)

また再建しましょう。

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2010年9月30日 (木)

少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず
未だ覚めず池塘春草の夢
階前の梧葉已に秋声

少年ばかりにあらず、少女だって老い易い。
況んや暦のひと巡りを過ぎた身においてをや。

まぶしかった陽射しははてどこへやら、、
池塘春草の夢からすら覚めもやらで、
我が庵の前栽も、いつしか秋の声。
前回の還暦万歳記事から
早半年の光陰が過ぎておりました。

いやはや、こんな時は下手な言い訳などせず
笑ってごまかすに限ります。

こんな愉しい記事などいかがでしょう。
どうか笑ってやってくださいませ。

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2010年3月29日 (月)

大吉、庚寅の春

目が覚めると、三月二十九日の朝でした。
肌寒いけれど、丹生谷的には極めて爽快。

天気予報を覗いてみたら、

「きょうは、一時的に冬型の気圧配置になって、
上空には真冬並みの強い寒気が流れ込みます。

不安定な天気は、きょうまで。
冬のような寒さは、あすまで。
あさってからは、春らしさが戻ってきそうです。」    

そうですか、そうですか。るんるん。
不安定は今日まで。
冬の寒さは明日まで。
その後には春の陽の光が待っているなんて。
天気予報はまずまず大吉です。

六義園の枝垂桜は七分咲きだそうな。
ふふふっ。
めでたい、めでたい。
心はいつも満開の花、だけれど。
七分咲き。結構、結構。
こちらも大吉、と。

実は本日、
丹生谷はめでたく還暦を迎えたのでございます。

庚寅の年にこの世に生を得て六十年、
十干十二支のひと巡りを終え、
次のひと巡りを迎える日が来ようとは。
感慨無量です。

生きることはいとをかし。
六十年を振り返り、そう思います。
命を授かったことに改めて深く深く感謝しております。

丹生谷が【暮しの手帖】や拙著【手紙の作法】の中で
「手紙の十徳」を書いたのは
明恵上人の「茶の十徳」に触発されてのことですが、
その明恵上人の教えに

「人は阿留辺幾夜宇和と云七文字を持つべきなり」

とあります。

自分がどうあるべきか、どうあらねばならないか、
自らの「あるべきようわ」を見据え、
自分にできること、自分にしかできないことを
これからも精一杯していきたい。

ふた巡り目だから、
み巡り目はまずないだろうから、
授かった命に感謝しつつ、
始めの一歩から、真っすぐ迷わず進んでまいります。

春爛漫、花の競演ももうすぐです。
皆様、どうぞお風邪など召しませぬよう
くれぐれもご自愛くださいませ。

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