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丹生谷真美のフィニッシングスクール

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2019年5月22日 (水)

ありがとう

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熊谷恒子先生の

いかにも育ちのよい

上品でおっとりとした書風に

ずっと心惹かれておりました。

 

お住まいが記念館になっていると

聞き知ってはいたけれど

訪ねたいと思いながら、生来の懈怠者ゆえ

なかなか辿り着けぬまま

徒らに歳月が過ぎておりました。

 

去る週末、風が若葉の香りを運ぶ昼さがり。

【筆で和歌を書く】講座の受講生をお誘いして

熊谷恒子記念館に足を運びました。

 

中馬込駅から歩くこと10分ほど

かつて馬込文人村と呼ばれた

坂道の多いこの辺りで

周囲を見下ろすひときわ高い位置、

静かな高台に、記念館はありました。

 

明治26年京都に生まれ、

大正3年ご結婚を機に上京、

昭和11年に新居として建てられたというお住まいは

ゆったりと穏やかな昭和の佇まい。

 

右目の失明、戦争を経て

苦しい時代ももちろんあっただろうに

満ち足りた幸せな時間の匂いが

今なおそこここに漂っています。

 

小ぢんまりと愛らしいお庭を眺めながら

このやわらかな空気の中で

ひたむきな心で書をしたためられたのかと

思いを馳せます。

 

深呼吸すると

昭和の風が体内を巡りました。

 

昭和61年、93歳で天に召される9日前

今はの際に震える手で書かれた

「うれしいこゝ路」「あ利可とう」。

 

この方の書の伸びやかさ、温かさの

根ざすところが垣間見えるようです。

 

うれしい心でありがとうと締めくくる人生。

かくありたいものですね。

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