フォト

丹生谷真美のフィニッシングスクール

« 2020年10月 | トップページ | 2020年12月 »

2020年11月の7件の記事

2020年11月26日 (木)

般若心境

感染自在菩薩 
行政対策波羅三蜜多時
短期集中皆空
度一切苦厄
指揮即是空
空即是指揮

2020年11月24日 (火)

状況記

コロナ禍の勢いは絶へずして
しかも元のウイルスにあらず。

流れに任せしGo to政策の
かつ勧め
かつ躊躇ひて
経済効果のある試しなし。

世の中にある人も
またかくの如し。

たましきの都のうちに
外食に並び、紅葉狩に争へる。

はやり病は世々を経て尽きせぬものなれど
オリンピックは開催かと尋ぬれば、
民意にては賛意まれなり。

上意の朝にあり、夕べになくなるならひ、
ただ水の泡ぞ似たりける。

2020年11月23日 (月)

平気物語

三密五小の知事の声
対策無効の響きあり。
担当相の顔の色
感染者必増の理を表す。
トラベルイートも久しからず
ただ春第一波の夢の如し。
三連休もついには滅びぬ
ひとへに風の前の枯葉に同じ。

2020年11月17日 (火)

寒雀

寒雀   楊万里

百千の寒雀空庭を下り
梅梢に小集して晩晴を話す
特地に団を作して我を喧殺す
忽然として驚き散じ寂として声無し

拙訳

何羽もの寒雀が
人けのない庭に下りてきた。
梅の梢に集まって
夕べの晴れ間を語り合っている。
ことさらに群れをなして
やかましく騒ぎ立てていたが
突然驚いたように飛び去ると
後は静まり返って
物音ひとつしない。

夕刻の冬の庭を描いた
一幅の絵のような詩を
からりと晴れた初冬の朝に。

おはようございます。

2020年11月 8日 (日)

早冬

早冬 白居易

十月江南天気好し
可憐の冬景春華に似たり
霜は軽く未だ殺らさず萋萋たる草を
日は暖かく初めて乾く漠漠たる沙
老柘葉は黄にして嫩樹の如し
寒桜枝は白くして是れ狂花
此の時却って羨む閑人の酔うを
五馬酒家に入る由も無し

拙訳

十月の江南は天気がいい。
冬の景色がまるで春のように華やかだ。
霜は軽く、青々と茂る草をまだ枯らすこともなく
陽射しは暖かく、広がる砂原を乾かし始めている。
老いた桑は葉を黄に色づかせ、若木のよう。
寒桜の枝が白く見えるのは帰り花が咲いているのだ。
こんな時には、閑人が酔っているのが羨ましい。
五頭立ての馬車に乗る身で酒屋には入れない。

白楽天先生、
ちっぽけな自尊心などこの際打ち捨て
馬車を停めて
閑人らと杯を交わしてはいかがでしょう。

この里は冬おく霜のかろければ
草の若葉ぞ春の色なる
          藤原定家

霜は軽く、草はまだ春の色だし。

天地既愛酒
愛酒不愧天

天地が酒を愛するのだから
酒を愛することで
天に愧じることはない。

って
李太白先生も詠じておいでではありませんか。

2020年11月 1日 (日)

オンライン講座のご案内

◆◆【オンライン講座のご案内】でございます◆◆

本日は「古典の日」。
古典の日にちなみ
オンライン講座【古典はこんなに面白い!】
【その一 人生はいとをかし『枕草子』】 
のご案内を申し上げます。

詳しくは以下のサイトをご覧くださいませ。
https://peatix.com/event/1696091 11月12日(木)10:30-11:30
https://peatix.com/event/1696184 11月15日(日)20:00-21:00

お問い合わせ・お申込みは上記サイトから、
あるいはメッセンジャーからご連絡くださいませ。

今は昔

平成十三年霜月朔日。
今は遠い昔。

ひんやりと清げなる風の冷たさも心地よく、駅前の銀杏並木もにわかに色づきて、金色の木の葉のほろほろとこぼれ落つるほどに、「山の紅葉はいかならん」「いざ行きて見ん」とて、霜月朔日、下野は日光にまかりいでぬ。

北のかたへと車走らせて下野にいりて、昼つかた東照宮に詣でぬ。常にても極彩色に輝きたる陽明門の光に満ちたるさま、晩秋の空に美々しく映へわたりてえもいはず艶なり。

見ざる聞かざる言わざるを思ひ、薬師堂にて龍の鳴くを聞きしのちは、秘仏の薬師如来に向かひ手をあわせ拝みて、おんころころせんだりまとうぎそわか、ばてれんの身なれども神も御仏も隔てなければ、げにありがたき心地こそすれ。

庭園をそぞろ歩けば、木立ち多かる中、楓の紅濃くもみぢたるさま、いみじうあてなり。さも美しうもみぢては散りゆくいのちこそ、あはれにをかしけれ。

昼下がり、霧の濃きいろは坂を越へ中禅寺湖にいでぬ。風の冷たき中、散りつもりたる木の葉を踏み歩くほどに、かさかさと乾きたる音、落ち葉の匂ひなどほのかにして、往ぬる秋の趣きこそすれ。

やがて日も暮れなんとすれば、空もたなびく雲も湖の面もすべて薄紅に染まりて、日の入りはてぬれば、やうやう薄墨に染まりゆくもをかし。

日光へくだる道すがら、仰ぎ見れば、山の端にさしいでたる月のやうやういづるほどに、明かく澄めることいとめでたし。月を愛でる心の千歳の昔より変はらざりけるこそをかしけれ。十六夜の月なれど太陽暦にては朔日とはなん、あさましき。

今宵も同じ十六夜、そしてお朔日。

晩秋なのに、春ではないのに
心に浮かぶ歌は

月やあらぬ春や昔の春ならぬ
わが身ひとつはもとの身にして
在原業平

いや、秋も月も変わってはいない。
我が身ひとつが
もとの身ではないかも。

令和二年霜月朔日。 
風の冷たさが肌に心地よく、
駅前の銀杏並木は色づいています。
秋も深まってまいりました。

おはようございます。

« 2020年10月 | トップページ | 2020年12月 »

2021年2月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28            
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

こちらの雑誌に執筆/取材協力させていただきました

最近のトラックバック


-天気予報コム-