同じ人の字なら、ペンで書くよりも、筆で書いた方が格段きれいな字に見える。当然です。ペンは硬い均一の線しか書けないけれど、筆なら線に陰影や抑揚が生まれ、奥行きや味わいが感じられるから。
年賀状講座で、付け焼刃方式とはいえ、筆で書くことをお教えしていると、このことをつくづく実感いたします。
小学生の時以来、筆を持ったことがない人でも、筆に慣れさえすれば、あら不思議、それなりに趣き深い字が書けます。
手のわろき人のはばからず文書き散らすはよし。みぐるしとて人に書かするはうるさし。
なあんて、兼好法師もおっしゃっておいでです(『徒然草』第三十五段)。
字が下手だからって遠慮せず、手紙をどんどん書くのはいい。見苦しいからと言って、人に代筆させたりするのはよくない。年賀状も、印刷したりしちゃだめってこと。
それに、せっせと手紙を書いていると、書くことの練習にもなって、字も文章も確実に上達します。苦手だからと書かないでいては、上達のしようもないではありませんか。
日立システムアンドサービスのウェブサイト「知って楽しむオトナのたしなみ」で、「カッコイイ手書き!」がまもなく公開されます。丹生谷が初心者向けに、書道具の揃え方、練習法、教材まで、懇切丁寧にご指導いたしております。年賀状の見本もあり。お役立ていただければ嬉しゅうございます。
次回は「芳名帳や封書の書き方」。こちらもぜひご笑覧くださいませ。
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