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丹生谷真美のフィニッシングスクール

カテゴリー「趣味」の記事

2018年11月18日 (日)

花笑

大切なお茶碗に銘をとのご依頼を賜り
お茶碗を「花笑」と命名。

銘をヒントに持ち主が万葉集から探し出した
家持のお歌を蓋裏に書きました。

持ち主のお名前と私の名前の一部が
歌にこっそり隠れています。

こんなに大切にされているお茶碗が
末永く愛されることを思いつつ、
穏やかな心で優しく書けました。

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2017年7月30日 (日)

暑中閒詠 

暑中閒詠 蘇舜欽

嘉果浮沈酒半醺   嘉果浮沈して酒半ば醺い
牀頭書冊乱粉粉   牀頭の書冊乱れて粉粉
北軒涼吹開疎竹   北軒に涼吹きて疎竹開き...
臥看青天行白雲   臥して看る青天に白雲の行くを

拙訳

冷えた果物が水に浮き沈みし、私はほろ酔い気分だ。
枕元には本が乱れ散らばっている。
北側の部屋に涼風が抜けて、竹垣が開いた。
横になったまま青い空に白い雲が流れて行くのを眺める。

舜欽さんったら、昼間っからお酒。
効くんですよね、これが。

ガラス鉢に氷水を張って
ボトルと一緒に
桃だの葡萄だの、冷やしたりして、ね。

甘い桃をいただきながら
キーンと冷えたスパークリングワイン。

グラス片手に本のページを繰って、
キーツの詩なんか詠じたりして。

なぁんて夢見がちなけだるい昼下がり。

キーツどころじゃありませんよ。
今日こそはたまった仕事をかたづけなくっちゃ。

皆様におかれましては
お暑さの折
どうかお身体おいといあそばされますよう。

2016年9月27日 (火)

きれいな字を書く美文字講座

「書は人なり」などと申しますが、
書には書いた人の人となりがおのずと表れるもの。

中国唐代の書家・柳公権は
書の上達法を問われ、
「用筆は心にあり、心正しければ筆正し」
と答えたそうな。

パソコンのキーボードを打ちながら
いきなり背筋が伸びまする。

正倉院で知られる聖武天皇の御妃・光明皇后は
東大寺・国分寺・国分尼寺の建立に貢献し
悲田院・施薬院を設置するなど仏教信仰に篤い、
慈悲深いお方でいらしたことが知られています。
 
お名前の「光明子」は光り輝くように
お美しくあらせられたことから。

私の名前は「真美」ですが、それはさておいて。

奈良の薬師寺に祀られる国宝・吉祥天女画像は
光明皇后の美しいお姿を写したものと伝えられ、
また皇后は藤原道綱母、衣通姫とともに
「本朝三美人」と謳われています。

『尊卑分脈』に道綱母が
「本朝第一美人三人内也」と記されている以外は
出典不明、ならびに選考基準も不明。

時代の隔たりが少々突飛ではございますが
それぞれ数百年に一人しか出現しないほどの
類稀なる美しさであられたということで
この場はさりげなく流すといたしまして。

光明皇后については、
その慈愛の深さ、心の清らかさゆえに
さまざまな美談伝説が伝えられています。

ご病弱な聖武天皇を支え、
平癒を願って仏教に帰依した、
姿も心も気高き、天女のように美しき皇后。

こうした日本史の教科書で読んだような解説から目を転じ
さて、正倉院に遺された聖武天皇の宸翰と
光明皇后の筆による書の筆跡を比べ見ますと、
教科書の記述には見えなかった「人」が
いきいきと見えてきます。

ご病弱であらせられたという聖武天皇の宸翰は
素人目にも柔らかく、細い線で
丁寧に書かれている。

一方、光明皇后の書は、堂々として力強い。
その筆跡からは、気丈で
しっかりとした意志を持った女性、
優しさだけではない、
毅然とした強さを兼ね備えた女性の姿が思い浮かびます。

千数百年の時を経ても
書とはかように書いた人の人となりを物語るもの。

書いた字が人柄を語るとあらば
「字は苦手」で放っておくわけにはまいりません。

こつがわかれば、字は確実にきれいになります。

きれいな字を書くこつをお教えしております。

【きれいな字を書く美文字講座】 全10回

自己流の癖を直しつつも、持ち味や個性は残して
万年筆やペン、筆ペン、毛筆で、
柔らかでなめらかな字が書けるようになります。

ひらがなのこつ、正しい字の形、くずし方。
漢字のこつ、部首の形、くずし方、楷書と行書。

字を書くことに自信が持てるように
丁寧にお教えいたします。

思い立ったが吉日、善は急げとも申します。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

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2016年7月 1日 (金)

半夏生

夏至から数えて11日目の今日は、半夏生。

わが庵の前栽の半夏生も
小さな花穂をつけ、
白くお化粧した葉が涼しげです。

半夏生が花に近い葉だけを白く「半化粧」するのは
目立たない花ゆえに
葉を飾って昆虫を誘うためだそうな。

まことに命ほどの不思議がありましょうか。

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2016年2月 8日 (月)

春はあけぼの

春はあけぼの。夏は夜。秋は夕暮れ。冬はつとめて。

『枕草子』のいきいきとした流れるような文章を読むと、
日々の暮らしの中に「いとをかし」を見出していた、
清少納言のときめく心が伝わってきます。  

季節の移ろいや身の回りの小さなことがらにも、
慈しみと愛情にあふれたまなざしで、
生きることの喜びを見つけ、心を躍らせることの「いとをかし」。

人生を愉しみ、笑って過ごすことをよしとした
清少納言の生き方こそ「いとをかし」です。  

知性と感性を研ぎ澄まし、
暮らしの中に隠れている心を躍らせるもの、
ときめかせることに目を向け、愉しむことで、
人生はずっと彩り豊かになります。  

情報に惑わされ、自分がどこに行きたいのか、
何を目指しているのかすらわからずに、
ただ新しいものやことを追い続けている、
あふれんばかりのたくさんのものに囲まれていながら
満たされることを知らない私たち現代人の生き方を
清少納言なら「いとわろし」と書いたかもしれません。  

雪月花を愛で、花鳥風月に親しみ、
自然とともに生きる暮らしは
氾濫する情報やめまぐるしく変わる価値観に
流されていた心を和ませ、瑞々しく潤してくれます。  

春の花、夏の風、秋の月、冬の雪。
日本には、日々の暮らしの中にこそ、美を、
そして喜びを見出してきた歴史と伝統があります。  

外に向けて贅を尽くすことにではなく、
身近にある美しいものやことを慈しみ、
特別ではない当たり前の暮らしの中に幸せを見出し、ときめき、笑い、
時には苦しみや悲しみの中にさえ微笑みをみつける生き方。

そんな生き方こそ「いとをかし」ですね。  

二月八日。旧暦の新しい年が始まりました。

年の内に春は来にけり一年(ひととせ)を
去年(こぞ)とや言はむ今年とや言はむ  

古今和歌集の第一首は、暦のいたずらで
新年より先に春が来たことを詠った在原元方の歌。

正岡子規は「しゃれにもならぬつまらぬ歌」と貶めておりましたが、
軽口のひとつもたたきたくなるような、
うきうきした心が伝わってくるではありませんか。  

生きとし生けるものは皆、そわそわと歌い出したくなる春。
佐保姫様もすでにお目覚めです。

どうぞ心晴れやかに「いとをかし」の春をお愉しみくださいませ。

2016年2月 3日 (水)

ご案内

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お気軽にお問い合わせください。Img_2384

2016年1月13日 (水)

梅の花

文を書いて
絵を描いて
紀友則のお歌を書いて
250枚ばかりコピーを取って、と。

冬将軍が
ようやくやる気を出した昨日、
こちらまでつられて
一気に仕上げちゃいました。

新年初の会報、以文庵だより。

プリンターの音をBGMに
ぐっすり寝入った夜も明け
今日明日中に発送できそうです。

おはようございます。1

2015年12月22日 (火)

文(ふみ)意匠講座

書家の先生のもと、古筆の臨書に
ひたすら励んでいらした方から、ご相談を受けました。

「自分が書のお稽古を始めたのは、
作品を書きたいからではない、
級や段がほしいのでもない、
指導者を目指してもいない。

手紙や署名を始め、メモや走り書きに至るまで
日常の字が美しく書けるようになりたかったから。

そう考えると道を選び間違えたのかもしれません」と。


よくぞご相談くださいました。
我が意を得たり、と嬉しくなりました。

書家の先生について臨書を学ばれたのは
決して間違った道ではありません。

古筆の臨書は古人の伝えたかった思いや息づかいを
書かれた文字を通して感じ取り、再現しようとすること。

その試みは 自身の思いを文字という線に表現することにも
おのずと生かされるはずです。

あれこれご希望を伺い、新しい年から、
筆で書く手紙を軸に、きれいな字、散らし書き、
紙のこと、和歌のこと、文章のこと、など
総合的にお教えすることになりました。

名付けて「文(ふみ)意匠講座」。

私自身が温めていた思い、 お伝えしたかったことのひとつが
こうして形にできるのは嬉しいことです。

「文意匠講座」は来る年の一月十四日、
京都教室から始まります。

東京でももちろん、 ご希望がございましたら開講いたします。

ご参加をお待ち申し上げております。

2015年7月27日 (月)

国民皆茶

幼少の頃から、何事も自分で考え、自分で行動したい性格でした。

人と同じこと、人にもできることはしたくないのは、今も同じです。

長じては、自分にできること、自分にしかできないことがあるとすれば、それこそが与えられた使命と受け止めております。

遠州流茶道を伝えるにあたっても、まず自分にできること、自分にしかできないことは何かと考えました。

遠州流茶道のご先代紅心宗慶宗匠は「国民皆茶」を提唱しておいででした。

茶の湯は、生活文化とも総合芸術とも言われます。

お茶を軸に、人と人が限られた時間と空間を共有しながら、互いに心を通わせる。

この美しき伝統を非力な自分なりに受け継ぎ、ささやかな日々の暮らしに生かすことができないか、とかねてより思いをめぐらせておりました。 

「国民皆茶」はそんな私の心の真ん中にまっすぐ届いて、きらりと光った言葉でした。

都会の狭いマンションの西洋もどきの空間に暮らす身だからこそ、誰でもが日常の中で生かすことのできる等身大の茶の湯を提案したい。

興味があるのに一歩を踏み出せずにいる人に、茶の湯の世界の愉しさを丁寧にご案内することで、私自身がそうであったように、興味が好きに替わってくれれば、それもまた、国民皆茶を目指すことではないか、そう思い立った次第です。

ということで。


遠州流茶道教室を開講いたしました。


まずお稽古は、お菓子とお茶のいただき方に始まり、部分稽古、茶盆点法、薄茶点法、濃茶点法、と、立礼(椅子席)と座礼(正座)とで、順を追って進めながら、学んだことを日々の暮らしの中で愉しむ方法を提案してまいります。

同時に、日本人として知っていたい日本のこと、茶の湯の歴史、先人の教え、おもてなしの心、美しい所作、お道具の知識、室礼の愉しみ、書、和歌、古典、禅語、花、建築、着物、など、茶の湯を切り口に、日本の文化を丁寧にわかりやすく解説いたします。

年に数回、日帰りの小旅行で、四季折々の自然に囲まれた由緒あるお庭とお茶室をお借りしてのお稽古も企画しております。 

何よりも、遠州流の茶道を軸として、おもてなしの心、先人の培ってきた美意識、人と心を通わす喜びをご一緒に学び、暮らしをより美しく豊かに彩っていただきとう存じます。

ご興味をお持ちの方、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

2015年7月 7日 (火)

梶の葉

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梶の葉に書きなやみたる女哉                    正岡子規

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